標準治療の場から去っていつた患者たち

さて一方、ステロイド外用剤の使用に警鐘を嗚らしたマスコミでしたが、今やかつてのステロイド騷励など影も形もありません。テレビや新聞などの報道でも、医師を中心とした医療関係者の「アトピー治療には薬をうまく使おう!」という記事ばかりが、みられるょうになりました。こんな中、肝心の患者たちはどうなつたのでしょうか?

結果として、ステロイド外用剤の副作用に悩む患者の多くが、標準治療の場から去つていったことは想像に難くありません。標準治療の病院に行っても、ステロイドが出されるだけですから。医療不信に陥り、病院自体に通わなくなった人もいるし、ステロイドを使わない医師のもとに通うようになった人も多くいることでしょう。

このように、患者のステロイドに対する感覚のちがいによつ て、はつきりとした棲み分けが進行していったようです。結果的に標準治療の場に訪れるのは、ステロイド外用剤を使っても問題のない患者たちか、あるいは、副作用を感じながらも、まだそれほど深刻な状況にいたっていない患者たちがより多くになっているように思われます。もちろん、そういった患者はたくさんいるでしよう。しかし、標準治療を施す病院では、そこに訪れない患者たちの実態については、ほとんどわからなくなつているのが実情ではないでしょうか。

そんな中、日本皮膺科学会では、「ステロイドバッシングの時代は過ぎ去り、治療の混乱期は終焉を迎えつつあります」といった終息宣言が出されています。でも、その終息宣言は、標準治療の場に訪れる患者をみて、出されていると思われます。今そこにいる患者たちも、ステロイド治療がうまくいかなくなれば、静かにその場を去っていくかもしれないのです。そういったアトピー患者をふくめてみないで、「ステロイド外用剤を第一選択にするのには問題がない」とか「ステロイド忌避の傾向は終息した」と結論づけることに、私は強い疑問を感ぜずにはいられません。

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