子供と高齢者は充分な水分摂取を心がけよう

お酒を飲まなくてもふだんから脱水に気をつけなければいけないのが、高齢者と子供です。

毎年夏になると熱中症で多くの人が病院に運び込まれてきますが、そのほとんどが高齢者と子供です。しかし、高齢者と子供では結果は同じ「脱水」でも、脱水状態を招きやすい理由は少し違います。

高齢者が脱水しやすい理由は二つあります。Iつは血管の老化、もうIつは血液量の減少です。

血液は心臓というポンプが押し出す力で体中を循環しているといわれています。もちろんこれは嘘ではありません。でも、心臓のポンプ機能だけで血液循環が行われているわけではありません。実際には血管がたえず収縮と拡張を繰り返すことで、心臓のポンプ機能を助けているのです。

ところが、年をとつて血管が老化すると血管自体が硬くなるので、この収縮と拡張が充分にはできなくなつてしまいます。その結果、心臓に負担がかかるとともに、一回の拍動で送り出せる血液の量が減ってしまうのです。

高齢者はどんなに元気に見えたとしても、完全に血管の老化を防ぐことはできません。そして、血管が老化すれば、その分、血流は悪くなってしまうのです。

ただでさえ血流が悪くなるのに加え、高齢者は食事量の減少や細胞の保水力の低下によって、血液の量そのものも減少する傾向にあります。このような状態で脱水が起きれば、体はすぐに危機的な状態になつてしまいます。

これに対し、子供が脱水しやすいのは細胞外液が多いからです。

私たちの体は成人で約六〇~七〇%もの水分を含んでいます。高齢者は成人より少なく五〇~六〇%、子供は多く七〇~八〇%が水分です。

子供も成人も、実は細胞の中に蓄えられている水、これを「細胞内液」といいますが、この量はほぼ同じです。では、子供の水分量は何が多いのかというと、細胞の外側にある水、「細胞外液」の量が多いのです。大人の細胞外液は全体の二〇%程度ですが、子供は四〇~五〇%もあります。

よく子供の肌はプルプルで水をはじくといいますが、その原因がこの「細胞外液」の多さなのです。細胞外液は新生児のときがいちばん多く、年をとるごとに減っていきます。実際手術をするとき、消毒液を皮膚に散布するのですが、子供の場合は消毒液がまったく肌に染み込まずはじけ飛びます。ところが高齢者だと、細胞外液が少ないので全部肌に吸い込まれてしまいます。

このようなお話をすると、細胞外液の量が多い子供のほうが脱水に強いのではないか、と思われるかもしれませんが、実際は逆です。なぜなら、この細胞外液というのは、細胞の外側にあるため、浸透圧の関係で汗をかいたときにとても失われやすいからです。

つまり、もともと細胞外液が少ない成人は、汗をかいたとしても失われる水分が少ないうえ、ふだんから細胞外液の少ない状態に慣れているので脱水に耐える力も大きいのですが、細胞外液の多い子供は、汗とともに細胞外液が失われると、体内水分量が一気に減ってしまうため、短時間で深刻な脱水状態になりやすいのです。

こうした理由から子供と高齢者は脱水状態になりやすく、本人がのどの渴きなど脱水の自覚症状を感じてから水分補給をしたのでは間に合わない危険性があります。ぜひ、ふだんからこまめな水分補給を心がけるようにしてください。

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